店舗の改装を考え始めると、内装や什器の配置、看板や照明の雰囲気に目が向きやすいものです。けれど、実際に工事が進んでから電気容量が足りない、コンセントの位置が合わない、冷蔵設備の電源が取れないと気づくケースもあります。店舗の電気設備工事は誰に頼めばよいのか、内装会社にまとめて任せてよいのか、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、改装前に確認しておきたい電気まわりの要点を、店舗運営の目線で整理していきます。
店舗の電気設備工事を依頼する相手の選び方
店舗の電気設備工事は、見た目の仕上がりだけでなく、営業中の安全性や使いやすさに直結します。依頼先を考えるときは、誰が何を判断し、どこまで責任を持って施工するのかを確認しておくことが大切です。
電気工事会社と内装会社の役割の違い
内装会社は、壁や床、天井、造作家具など、空間全体の仕上げをまとめる役割を担います。一方で、電気工事会社は配線、分電盤、照明、コンセント、専用回路など、電気設備の安全性を確認しながら施工します。内装会社が窓口になる場合でも、実際の電気工事を誰が行うのかは確認しておきたいところです。
有資格者による施工確認の重要性
店舗の電気設備工事では、電気工事士などの資格を持つ人による施工や確認が欠かせません。電気は見えない部分で不具合が起きることがあり、容量不足や接続不良が後から発覚すると、営業停止や機器故障につながる場合があります。安さだけで判断せず、資格と管理体制を確認することが安心につながります。
店舗業態に合う施工経験の確認ポイント
飲食店、小売店、美容室、食品売場では、必要な電気設備が変わります。厨房機器を使う店舗なら専用回路、食品を扱う店舗なら冷蔵冷凍設備、物販店なら照明計画が大切です。過去に近い業態の施工経験があるかを聞くと、打ち合わせが具体的になりやすくなります。
改装前に確認したい電気容量と契約内容
店舗改装では、既存の電気設備をそのまま使えると思っていても、新しい機器を入れると容量が足りなくなることがあります。工事前に電気容量と契約内容を確認しておくと、開業直前の慌ただしさを減らせます。
既存設備で足りる電気容量の確認
まず確認したいのは、現在の契約容量で使用予定の設備をまかなえるかどうかです。照明、空調、厨房機器、冷蔵冷凍設備、レジ、通信機器などを同時に使う時間帯を想定して計算します。機器ごとの消費電力を一覧にしておくと、電気工事会社も判断しやすくなります。
ブレーカーや分電盤の見直し
容量が足りていても、ブレーカーや分電盤の状態が古いままだと、回路の分け方に無理が出ることがあります。特定の場所だけに負荷が集中すると、営業中にブレーカーが落ちる原因になります。改装のタイミングで分電盤の空き回路、老朽化、設置場所を確認しておくと安心です。
電力会社との契約変更が必要になるケース
業務用機器や空調設備を増やす場合、電力会社との契約変更が必要になることがあります。単相から三相への変更や、契約容量の増加が必要な場合は、申請や工事に日数がかかることもあります。内装工事だけを先に進めるのではなく、電気の契約条件も早めに確認することが大切です。
店舗レイアウト変更で起きやすい配線の盲点
レイアウト変更は、店舗の使いやすさを高める大切な機会です。ただ、什器や設備の位置が変わると、配線も合わせて見直す必要があります。図面上では問題がないように見えても、現場で初めて気づく点があります。
レジ・厨房・売場の移動に伴う配線計画
レジを移動する場合は、電源だけでなく通信回線や決済端末の配線も考える必要があります。厨房では、調理機器ごとに必要な電源が異なります。売場では、冷蔵什器や照明付き什器の位置によって配線経路が変わります。先に使う機器を決めておくことが、手戻りを防ぐ第一歩です。
コンセント位置と数の不足
店舗では、掃除機、充電器、季節什器、販促用機器など、後から電源が必要になる場面があります。コンセントの数が少ないと延長コードに頼りがちになり、見た目や安全面で不安が残ります。必要な場所に必要な数を設けるだけでなく、将来使いそうな場所も考えておくと使いやすくなります。
床・天井・壁の仕上げ前に決めたい配線経路
配線経路は、床、天井、壁の仕上げが終わる前に決めておく必要があります。仕上げ後に変更すると、解体や補修が発生し、費用と工期に影響します。特に床下配線や天井内配線は、工事の順番が大切です。改装前の打ち合わせで、配線をどこに通すかまで確認しておきましょう。
照明工事で見落としがちな店舗づくりの要点
照明は店舗の印象に関わるだけでなく、商品や料理の見え方、スタッフの作業性にも影響します。器具を交換するだけで済む場合もありますが、電源や回路の確認まで行うことで、使いやすい店舗づくりにつながります。
売場や客席に合わせた明るさの基準
明るさは、業態や場所によって適した考え方が変わります。食品売場では商品が見やすい明るさ、飲食店の客席では過ごしやすさ、作業場では手元の確認しやすさが求められます。単に明るくするのではなく、場所ごとに必要な明るさを分けて考えることが大切です。
照明器具の交換だけでは解決しにくい電源まわり
照明器具を新しくしても、既存の配線やスイッチ回路が合わないと、思ったように点灯区分を分けられないことがあります。売場だけ消したい、客席と厨房を分けたい、閉店後の清掃用照明を残したいなど、運営に合わせた回路計画が必要です。照明計画は電源まわりと合わせて確認しましょう。
省エネ性能とメンテナンス性の確認
LED照明は消費電力を抑えやすく、交換頻度も少なくできます。ただし、器具の設置高さや交換方法によっては、メンテナンス時に脚立や高所作業が必要になることがあります。電気代だけでなく、交換や清掃のしやすさも含めて選ぶと、営業後の管理がしやすくなります。
厨房・冷蔵冷凍設備・空調設備に必要な電気工事
店舗の中でも、厨房、冷蔵冷凍設備、空調設備は電気の使用量が大きくなりやすい場所です。これらの設備は営業品質に直結するため、設置前に電気容量や回路を丁寧に確認する必要があります。
業務用機器ごとの専用回路の必要性
業務用冷蔵庫、オーブン、食洗機、製氷機、空調機などは、機器ごとに専用回路が必要になる場合があります。同じ回路に複数の機器をつなぐと、起動時の負荷でブレーカーが落ちることがあります。機器の仕様書をもとに、必要な電源種別と容量を確認しましょう。
冷蔵・冷凍什器の温度管理と電源確保
食品を扱う店舗では、冷蔵冷凍設備の電源確保が欠かせません。停電や電源不良は、商品の品質管理に影響します。温度センサーを設置する場合は、センサー用の電源や通信環境も合わせて確認します。温度記録を自動化したい場合は、設備工事の段階から準備しておくと導入が進めやすくなります。
空調設備の増設や更新に伴う電気容量の確認
空調設備を増設したり更新したりする場合、機器本体の設置場所だけでなく、電源容量や配線経路も確認が必要です。客席や売場の快適性を保つためには、能力に合った機器選定と安定した電源が欠かせません。空調工事と電気設備工事を別々に考えず、同時に確認することが大切です。
消防設備・衛生設備・安全基準との関係
店舗改装では、電気設備だけを単独で考えると見落としが出ることがあります。消防設備や衛生設備との位置関係、検査に必要な条件も関わるため、関係する設備をまとめて確認することが大切です。
消防設備と電気設備の取り合い
誘導灯、非常照明、火災報知設備などは、電気設備と関係が深い設備です。天井の照明位置を変えると、消防設備の配置にも影響することがあります。内装の見た目だけで位置を決めると、後から調整が必要になる場合があります。事前に消防設備との取り合いを確認しておきましょう。
水回り工事と電気配線の安全距離
厨房や洗面、トイレなどの水回りでは、電気配線との安全な距離が重要です。水がかかりやすい場所にコンセントや機器を設ける場合は、防水性や設置位置に注意します。衛生設備工事と電気設備工事の内容を照らし合わせることで、使いやすさと安全性の両方を整えやすくなります。
営業許可や検査前に確認したい設備条件
飲食店や食品を扱う店舗では、営業許可や検査に向けて設備条件を整える必要があります。照明、換気、給排水、手洗い、冷蔵設備など、確認項目は業態によって異なります。開業直前に不足が見つかると工期に影響するため、早い段階で必要条件を洗い出しておくことが大切です。
工期と費用で見落としやすい確認項目
店舗改装では、開店日が決まっていることもあり、工期と費用の管理がとても大切です。電気設備工事は内装工事の進み方と密接に関わるため、作業順序と現地確認の精度が仕上がりに影響します。
内装工事との作業順序
電気配線は、壁や天井を閉じる前に行う作業が中心です。先に仕上げてしまうと、配線のために再度開口する必要が出ることがあります。照明、コンセント、分電盤、機器電源の位置を内装図面と照らし合わせ、どのタイミングで施工するかを共有しておくことが大切です。
追加費用につながりやすい現地調査不足
図面だけでは、既存配線の状態や分電盤の空き、天井内の障害物までは分からないことがあります。現地調査が不足すると、工事中に追加作業が必要になり、費用が変わる場合があります。見積もり前には、できるだけ現場を確認し、既存設備の状態を把握することが大切です。
営業開始日から逆算した工程確認
営業開始日が決まっている場合は、内装、設備、検査、試運転、清掃までを逆算して考えます。冷蔵冷凍設備や空調設備は、設置後に動作確認が必要です。電気工事が完了しても、機器が正しく使えるかまで確認しなければ安心して営業を始められません。
店舗の電気設備工事で業者に伝えるべき情報
店舗の電気設備工事をスムーズに進めるには、依頼する側が持っている情報を整理しておくことも大切です。最初の相談時点で分かる範囲を共有できると、見積もりや工事内容の精度が上がります。
店舗業態と使用する設備機器の一覧
まず伝えたいのは、どのような店舗を運営するのか、どの設備機器を使うのかです。冷蔵庫、冷凍庫、厨房機器、空調機、照明、レジ、通信機器などを一覧にし、型番や消費電力が分かる資料があれば添えると確認しやすくなります。
図面・既存設備資料・現地写真の準備
平面図、分電盤の写真、既存コンセントの位置、天井や床の状態が分かる写真があると、初期判断に役立ちます。古い店舗では図面が残っていないこともありますが、その場合でも現地写真が手がかりになります。分かる範囲で準備しておくことが大切です。
将来の増設を見据えた要望整理
改装時点では使わない設備でも、将来追加する可能性があるなら早めに伝えておきましょう。冷蔵什器の増設、客席数の変更、厨房機器の追加などが考えられる場合、分電盤や配線経路に余裕を持たせる検討ができます。後から工事するより、改装時に準備したほうが負担を抑えやすくなります。
株式会社ヒビキの店舗電気設備工事
私は、店舗の電気設備工事では、営業後の使いやすさまで考えることを大切にしています。株式会社ヒビキでは、電気設備を中心に、空調、衛生、消防設備、温度管理システムまで相談を受けています。
スーパーマーケットや商業施設で培った施工対応
スーパーマーケットや商業施設では、照明、冷蔵冷凍設備、空調、レジまわりなど、さまざまな設備が同時に動きます。私は、こうした現場での経験をもとに、店舗ごとの営業形態に合わせて電気容量や配線を確認します。安全を優先しながら、現場の状況に応じた施工を行います。
電気・空調・衛生・消防設備をまとめて相談できる体制
店舗改装では、電気だけでなく空調や水回り、消防設備との関係も無視できません。株式会社ヒビキでは、主力業務である電気設備工事に加え、空調設備工事、衛生設備工事、消防設備工事にも対応しています。窓口を分けすぎずに相談できるため、設備同士のずれを減らしやすくなります。
温度管理システム導入まで見据えた設備工事
食品を扱う店舗では、冷蔵冷凍設備の温度管理も重要です。株式会社ヒビキでは、HACCPに対応した温度管理システムの導入にも対応しています。温度センサーの設置工事では全国での設置実績があり、チェーン企業など複数拠点の案件にも対応可能です。電源確保から温度記録の自動化まで、店舗運営に合わせて相談できます。
まとめ
店舗の電気設備工事は、改装の後半で考えればよいものではありません。レイアウト、照明、厨房機器、冷蔵冷凍設備、空調設備、消防設備、衛生設備と深く関わるため、早い段階で確認しておくことが大切です。
依頼先を選ぶときは、内装会社と電気工事会社の役割を理解し、有資格者による施工確認ができるか、店舗業態に合う経験があるかを見ておくと安心です。電気容量や分電盤、契約内容を事前に確認することで、開業直前の追加工事や予定変更を防ぎやすくなります。
私は、店舗運営を見据えた設備工事は、早めの相談が何より大切だと考えています。改装計画の段階で電気設備に不安がある方は、どうぞ気軽にご相談ください。








